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新型コロナウイルス検査が保険適応になりました(が、当院では施行できません)。

新型コロナ肺炎の診断に用いられるPCR検査が健康保険適用になりました。これまで保健所の判断による行政検査のみでしたが、今後は病院の医師が必要と判断すれば、保健所を介さずに検査可能です。

 

ただし、どの医療機関でも検査可能ではなく、都道府県が指定する全国844医療機関のみで実施されます。このことで、医療現場で混乱があるかもしれません。

 

以下、このPCR検査と今後の医療体制について、Q&A方式で解説します。

皆さま、どうぞ適正に医療機関を受診するようにお願いします。

 

 

問1 PCR検査の精度はどのぐらいですか?

 

実は、新型コロナに対するPCR検査の精度は高くありません。高く見積もっても70%以下だと思われます。10人の感染者がいたとして、少なくとも3~4人は見逃してしまいます。このことを理解いただいたうえで、以下を読み進めてください。

 

問2 なぜ、保健所による行政検査は制限されていたのですか?

 

検査の能力は無尽蔵ではありません。検査を行う機械も必要ですが、検査のための試薬も必要です。もちろん、検査技師も必要で、検体を運ぶ人も必要です。これまで医師が必要と判断しても、そのすべてを受け止める検査体制はありませんでした。今回、民間の検査機関が参入して、検査体制が強化されることになりました。

 

問3 明日からは、検査を受けたい人なら誰でも受けられるのですか?

 

誰もが受けられるわけではありません。症状が長引いていて、かつ医師が必要と認める患者さんだけです。そもそもは1回あたり1万8000円もする検査です。風邪症状だけで皆さんが使い始めたら大変なことになります。ただでさえ高騰している社会保障費ですから、必要な場合のみに限定されます。

 

問4 なぜ、一般のクリニックでは検査をしてくれないのですか?

 

民間の検査機関における体制も十分ではないからです。万一、検査依頼が殺到してしまうと、重症患者への検査ができなくなってしまう恐れがあります。ですから、感染が確認された患者さんの入院体制までが整った医療機関に絞っています。

 

もうひとつ、医療従事者を危険にさらすという問題もあります。PCR検査というのは、鼻やのどに綿棒を突っ込んで検体を採取します。そうすると、多くの人は激しく咳き込みます。このときウイルスを含んだエアロゾル粒子を大量に周囲に拡散させてしまいます。

 

インフルエンザであれば、マスク着用で予防できるのですが、新型コロナだとマスクでは防ぎきれない可能性が指摘されています。小さなクリニックの診察室だと換気が不十分なこともあり、医療従事者の感染リスクとして心配されているのです。

 

さらに、次の患者さんが診察室に入ると・・・次の患者さんに感染させてしまうリスクもあります。PCR検査は小さなクリニックで行うべきではありません。それなりの設備をそなえた医療機関でのみ行うべきなのです。

 

問5 軽症でも検査で診断すれば、外出自粛などの予防につながるのでは?

 

PCR検査の精度は高くありません。見逃しが多いということです。検査をして陰性であれば、自分は大丈夫だ、ただの風邪だと思ってしまいます。そうして、外出を自粛せずに仕事をしたり、遊びに行ったりすることになります。これが、感染拡大の原因になってしまいます。検査結果によらず、症状があるあいだは家で療養していただくことが大切です。

 

問6 とはいえ、診断してもらった方が安心なのですが?

 

よくわかります。原因不明の発熱ほど不安なものはありません。診断名を聞いただけで安心される患者さんもいらっしゃいます。たとえ治療できなかったとしても、見通しを伝えることも医療の役割だと思います。

それでも、どうか症状が軽いのであれば、いまは診断を求めずに家で休まれていてください。症状の軽い人まで病院に集まってしまうと、待合室に人混みができてしまいます。ほとんどの人は新型コロナに感染していないでしょう。でも、そこには本物の感染者も混じっている可能性があるのです。

 

現時点において、皆さんが町で新型コロナに感染する可能性はほとんどありません。そこまで流行していません。でも、唯一例外なのが病院の待合室です。新型コロナではなかったのに、病院に行ったばっかりに新型コロナに感染して帰ってくる。そんなことが起きてしまうことを心配しています。前回のMARSの韓国での流行も、半分は病院内感染でした。

 

病院に行かないことが感染拡大を防止するうえで重要なのです。病院に人混みを作らないことで、体調不良で受診してくる乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人を守ってください。不安な方のために電話相談窓口があります(06-6944-7579)。

 

問7 軽症のうちに診断した方が重症化予防できるのでは?

 

いいえ、早めに受診しても重症化を予測することはできませんし、軽症の段階から使用できる治療薬もありません。たしかに、重症患者に対して使われている薬剤(カレトラ、アビガンなど)はあるのですが、これら薬剤の効果は、まだ明確ではありません。風邪薬や抗菌薬と比べると副作用の強い薬です。軽症者が内服することのメリットはありません。

 

たしかに、高齢者や基礎疾患がある方については、重症化するリスクが存在します。

体調のことで気になることがあったり、2日程度たっても症状が改善しないのであれば、

新型コロナ以外の可能性もふまえて、早めに相談することをお勧めします。

 

お子さんを見守っている保護者の直観は正しいです。親として病院に連れて行った方がいいと思うなら、周囲がとやかく言うことではありません。迷わず受診させてください。

ただし、「大丈夫そうだけど、念のため診断してもらおうか」だったら、ゆっくり寝かせておいた方が良いかもしれません。

 

判断に迷うようでしたら、小児救急でんわ相談の短縮番号「#8000」をプッシュしてみてください。相談窓口に自動転送され、小児科医師や看護師から対処の仕方や受診する病院などのアドバイスが受けられます。

(沖縄県立中部病院 感染症内科 高山先生の寄稿より喜多岡の責任で改変)

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